令和2年8月1日付で内科学第 1講座の第7代教授を拝命いたしました。
私自身、これまで広範囲に及ぶ内分泌・代謝科領域疾患の診療、そして研究に一意専心取り組んで参りました。
当科疾患は、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症といった身近で患者数の極めて多い生活習慣病から、下垂体・甲状腺・副甲状腺・膵臓・副腎・性腺を始めとした全身の内分泌器官からのホルモン分泌異常を来す疾患まで幅広く、いずれの疾患も全身への影響が避けられないといった特性があります。
また、それぞれの疾患の合併・併発も多く、複雑な病態に陥る場合もあります。このような病態に対する正確な治療が大切であり、治療の有無・内容で患者の将来が大きく変わります。
早期からの診断・治療により、様々な合併症を予防していく先制医療が理想であり、地味な予防医学ですが、日々やりがいを感じております。
具体的には、糖尿病予備軍を含めた1型・2型糖尿病などの糖代謝疾患、バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患、下垂体腫瘍などの下垂体疾患、原発性アルドステロン症などの副腎疾患、副甲状腺疾患や骨軟化症などの骨代謝疾患、肥満症、脂質異常症、高尿酸血症などを対象とし診療するとともに、大学の使命として、患者の将来を少しでも改善するための研究にも全力をつくしていきたいと思います。
幸い、現在の内科学第1講座は、南條輝志男先生が築かれた代謝疾患のみならず全身を診るという伝統と、前任の赤水尚史先生がご尽力された内分泌疾患診療の発展により、糖尿病・内分泌・代謝疾患をバランスよく診療できる講座であると感じております。
さらなるスケールアップを目指すとともに、新たな検査法・治療薬が次々に上市され、また増々早期に治療・管理することが求められている当科領域疾患に対し、医局員・同門の先生方とも力を合わせ対処していきたいと思います。
このような日々の診療・研究を積み重ね、全身を診る医師の育成と和歌山県の医療に貢献して参りたいと考えます。
教授 松岡 孝昭
1991年 | 高知医科大学 卒業 |
1991年 | 大阪大学内科学第一講座 入局 |
1991年 | 大阪警察病院内科 医員 |
1994年 | 大阪大学大学院医学研究科内科系博士課程 入学 |
1999年 | 米国Vanderbilt 大学 分子生理生化学教室 research fellow |
2005年 | 大阪大学 内分泌代謝内科 特任助教 |
2009年 | 大阪大学 内分泌代謝内科 助教 |
2014年 | 大阪大学 内分泌代謝内科 講師 |
2016年 | 大阪大学 内分泌代謝内科 准教授 |
2020年 | 和歌山県立医科大学 内科学第1講座 教授 |